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―マスター‥聞こえる?
―ああ。女たちは?
―今から
結城が精神感応をしている間に西園寺が女たちが閉じ込められているだろう部屋を見つけた
「結城くん」
「うん」
手招きをする西園寺
静かな廊下を歩き渡る
―警察、呼んでおいてね
―分かっている
遠くで声がする
啜り泣く声
か細く、途切れそうな女の声
それも1人じゃない
数十人といるだろう‥
「こんなにたくさん‥」
目にした部屋は鉄格子で固められ、南京錠が5・6個付けられている
鍵はもちろん無い
女たちは脅えて近づこうとはしない
西園寺が南京錠に手をかざした
「な、なにをするの?」
脅えた女の中から声が聞こえた
これだけ人数が居る中で特定は出来ない
「しー。」
結城が口元に人差し指を当てた
すると、カチャという音と共に南京錠が一つ、床に落ちた
同じように次々と南京錠が音を立てて落ちる
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