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ア然と西園寺を見る女たち
済ました顔で西園寺は鉄格子の扉を開けた
「わ~要かっこいい」
ちゃかす結城
恐る恐るに女たちが鉄格子の中から出てくる
カチャっと音がした
彼らの動きが止まり、音がする方に目をやる
まだ姿は見えない
「要~‥ちゃんと仕留めた?」
「もちろん殺してはないよ?」
「でも動けない程度にやらなきゃ」
怠そうに首を鳴らす
要が女たちに鉄格子の中に居るように言った後、よろよろと神田が日本刀を引きずりながら現れた
生温い風が頬を撫でた
「おのれ‥」
「懲りないねぇ‥」
外でサイレンが聞こえる
だんだん近づいてくる
―要は女の人たち連れて外に行ってな?
―了解
手の平を女たちに向け、西園寺も一緒に一瞬で姿を消した
残ったのは結城と神田のみ
日の光が当たらないこの場所
薄暗い中で息を荒くした神田が口を開いた
「馬鹿にしおって‥」
「なにが?」
笑って、とぼける結城
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