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本部内にある柔道場に1人の男が足を運んだ 中では気合いを入れる声が聞こえ、畳に叩きつけられる音が響いた この機関に加入している者は武術(26種)等々を鍛え上げている 「李桜は居るかな?」 男が山下の名前を呼んだ 柔道場の一角 山下が他の群を相手に組み合っている 集中しきっている山下には回りの声は聞こえない 邪魔にならない程度に近づき、その様子を見る 近くではだらし無く畳の上に伏せている七瀬の姿 男は苦笑した 「一本!」 山下が技をかけ、試合は終了した ご機嫌でタオルを顔に当てる山下に男はもう一度名前を呼んだ 「李桜」 「ん?‥あ、マスター!」 マスターと呼ばれた男に山下は早足で駆け寄った 七瀬も山下の声でマスターに気付いたが、ただそれだけ 「どうしたんすでか?」 「今日は、李桜に任務を持って来たんだ」 その言葉に山下は目を輝かせた それを伏せたまま七瀬は耳を傾けている
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