0人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日の朝。
身体がだるくて目が覚めた。
まだ、外は暗かった。
上半身は裸だった。
ベッドから半身を出すと、冷たい風が身体を包んだ。
隣には誰もいなかった。
「…夢だった…?」
やっぱりそうか。
忙しい貴女が急に逢えるわけ無いもんね。
増してや、玄関で待ち伏せしてるなんて。
妄想が妄想で済まなくなったか。
服も着ないで…笑ってしまう。
でも、昨日貴女を強く抱いた温もりが残っている気がする。
これも気のせいか、なんて思いながら脱ぎ捨ててあったトレーナーを地肌に着た。
ベッドの下から卑猥な表紙の雑誌が顔を出していた。
「これって…」
卑猥な雑誌の表紙に落書きがしてあった。
『ばーか。ゆーきのばか』
油性ペンでそう、書いてあった。
夢じゃない。
枕元に置いてあった携帯が光っていた。
メールが来たという合図だ。
貴女からだった。
『おはよう』
いつもと同じ文面。
昨日のことがもし現実ならば、貴女が少しぐらい昨日のことに触れてくれても不思議ではない。
なのに、なぜ……。
やはり現実ではなかったのだろうか…。
よく見ると、下にも文章が続いていた。
慌ててスクロールさせた。
『昨日は突然訪ねちゃってごめんね。
そういえば、あの本…。
今度来たときにあったら、ただじゃおかないからね😡』
最初のコメントを投稿しよう!