出会い。

3/3
前へ
/9ページ
次へ
その犬は、まだ十分熱いアスファルトの上に、 座りこみこちらを 見つめていた。 体は小さい。 「子犬だ。」 座り込み、呼んでみる。 「おいで。」 少し重い足取りで 小さな尻尾を振りながら やって来た。 首には、取り外しが 出来ないチェーン。 チェーンで擦れた 脇の傷。 ノミがたくさん付いた体。 捨て犬だ。 まだ、小さな小さな子犬。 こちらの表情を 伺いながら近づく。 私はそっと頭を撫でた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加