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その犬は、まだ十分熱いアスファルトの上に、
座りこみこちらを
見つめていた。
体は小さい。
「子犬だ。」
座り込み、呼んでみる。
「おいで。」
少し重い足取りで
小さな尻尾を振りながら
やって来た。
首には、取り外しが
出来ないチェーン。
チェーンで擦れた
脇の傷。
ノミがたくさん付いた体。
捨て犬だ。
まだ、小さな小さな子犬。
こちらの表情を
伺いながら近づく。
私はそっと頭を撫でた。
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