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「バベルのことですか。あれは見事なものですよね。」
「確かに見事ではあるな。」
「僕は直に見たことはないのですが、あれを作るのに幾年もの歳月がかかるのは確実です。」
「ん? 氷帝は見たことないのか?」
見てるような反応だったけどな。
あそこは確かに窪地で、あのバベルとかいうものが隠れているから見たことがないのかもしれない。
でもそしたらあのバベルのことを知らないんじゃないか?
俺は素直に疑問を口にすると、氷帝は微笑む。
「あそこまで行くほど命知らずではないので。でも流石に僕でも情報くらいは知ってますよ。というより絵では見たことがあります。」
「絵?」
「はい。昔『CZ』を潰そうとした軍があの辺りまで行き、ほぼ全滅して帰ってきました。その時の生き残りの方が描いた絵です。」
その昔、まだ国が数多あった時の時代らしい。
『CZ』を潰せば解決することを知っていた軍隊は、潰すことを目標にしてその辺りまで進軍したらしいが、見事なまでに壊滅させられたようだ。
『CZ』の付近ではほぼノータイムで魔物が出現し、滅茶苦茶な密度になるらしい。
まあそりゃあそうだよな。
侵攻される上ではどうしても『CZ』やキャッスルから距離があり、その移動には時間がかかる。
特にサイのように進むスピードが速い物、キノコのように進むスピードが遅くなる物の、差が顕著になる。
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