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俺の予想だけど、この世のものの全ては魔力を持っているのだろう。
俺らが原子でできているように、シルバーランドには無機物も有機物もすべて魔力を持っている。
それが魔力を形成しているのではなく魔力の粒子とでも言っておいたほうがいいかな。
詳しい説明は専門用語多発でよくわからなかったが、大体は想像通りだった。
「勿論土にも微量ではありますが魔力が存在していて、それを魔物が抽出してしまえば元の土とは思えないレベルの硬さになります。特に魔力を多く含んでいる土であればあるほど。」
何か含みのある言い方だな。
向こうの話は結構俺が知識を持っている前提で進めているけど俺はついていくのがきついな。
「魔力を多く含んでいる土があの近辺に多いのか?」
「……ミトス君。君はどうして土属性の魔法があまり使われないか考えたことありますか?」
言われてみればそうだった。
地中から攻めてくる魔物に対して同じ場所で戦える土属性の魔法は有利なはずだ。
でも使われない。何故か。
今までの話を聞いていればわかりそうだから……
「ああ、なるほど。当然か。」
「わかっていただければいいんですよ。」
土属性の魔法を撃てば土の中には確実に魔力の粒子を残してしまうという事か。
魔法を撃てばそれだけ魔物の栄養源になってしまう。
倒すために魔法を撃つけど、撃てば撃つほど栄養になるってどんな面倒な事態だよ。
そして、過去にはそんなことを知らずに使いやすい土属性の魔法を使いまくったと。
結果的にそれは後の俺らが苦労する羽目になったんだな。
いや、これからなるのか。
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