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「仮にあのバベルが『CZ』を全部覆う事がなくても、魔法による威力を激減させることが出来るのは事実です。というよりすべて覆ってしまったら入り口が塞がってしまうわけですからね。」
「じゃあそのバベルっていうのは壊せないのか。」
「いえ、それとこれとは違います。」
氷帝は訂正する。
バベルを示す長方形を黒塗りする。
「あくまでも強固なだけで破壊できないわけではないんです。元の地盤は破壊可能ですし、超強力な魔法ではダメージを負わせることもできます。」
なんでバベルを見たこともないのにそういうことを言えるのかはわからないが、過去にそういう研究があったのかもしれない。
「じゃあまず『CZ』を攻略する上ではバベルを破壊しなきゃダメなんだな。」
「はい。そうですね。でないと確実に『CZ』を攻略することは不可能です。もしも放置して強硬策を取ろうものなら挟撃に会う可能性が非常に高くなります。」
バベルがある状態で全ての魔物を駆逐することは叶わず、残った状態でなかに攻め続けるしかなくなる。
ある程度の魔物ならそこまでではないが、あの大きさの障害物があればたくさんの魔物が生存してしまう。
「まだ研究者の中では論議は続いていますが、あそこは魔物の中継地のひとつとも考えられてます。」
……なるほど、一種のキャッスルという事かな。
でもそんな近くまで行って調べれるわけがないから未だに研究者の中で揉めているらしいな。
「つまり…………俺らはまずそれを破壊しに行かなきゃダメか。…………未来ではあるのかな?」
「え?」
「いや、なんでもない。」
ついつい言葉に出てしまった。
でも多分聞こえていないだろうし、仮に聞こえていても意味が分からないだろうな。
寧ろここで慌てて口を変に滑らせるほうが危ない。
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