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「どうですか。この説明でまだ不足する部分はありますか?」
「いや、ありがとう。なんかわざわざ細かく説明してもらってすまなかったな。」
「お構いなく。僕も面白い話が聞けたので満足ですよ。」
氷帝はいつも通りの表情で柔らかく笑っている。
この帝は何と無くだが、意図的に微笑んでいるような印象があるな。
「僕は何度も言うように専門家ではないのでもしかしたら間違っているかもしれません。宜しければ専門家の方をお呼びしましょうか?」
「いや、別に大丈夫だ。そこまでのことはしなくていいや。」
「そうですか。また何かあれば来てください。今回はすっかり忘れていましたが、今度はお茶でも出しますよ。」
「今は時間がないから仕方ないけど、今度氷帝の専門の話も聞きたいな。何を専門にしてるんだ?」
「僕の専門はXランクのかたのみが使える特殊な魔法、想像魔法ですよ。シルビアさんの使っていたものですよ。あ」
ああ、あれか。
あの恐ろしい魔法か。
そういえばシルビアがそんなようなこと言ってたかもな。
「俺も興味があるから次回はよろしく頼むよ。」
「ええ、何かあっても困るので門までお送りしましょう。」
にやりと笑っているが、それは念のためだよな。
もしこれ帰り本当に襲われるとかなるとシャレにならないんだけど……
結局そのあと俺は何もなく城門から出ることが出来た。
寧ろ何かあったら本当にまずかったんだが、そんなことはなくて安心した。
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