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俺はエルドに他の用事もなかったので、さっさと退散を決め込む。
「あ……」
「ん? どうかしたのかい?」
今のところいつの話か分からないが、エルドにボルトプレスの技を教えたほうがいいんじゃないかな?
冷静に考えればこんなに科学が進歩していない世界で圧電効果なんか生まれるはずがないしな。
恐らく俺がエルドに教えたという事で違いないだろう。
「いや……やっぱりいい。じゃあな。」
でも別にまだいいはずだ。
まだ半年近くあるし。
厄介になるかもしれないことを早めにしておくのはあまりよろしくない気がする。
今日が俺とエルドの最後の対面というわけがない。
それならもっと後でもいい……と思う。
「なんかあったんじゃないのか?」
「いや、まったく急ぎの用事でもないからいいかなって。」
「わかった。何かあればいつでもいいからね。基本的に深夜以外は大体いるから。」
深夜いないのは仕事だからかな。
そのへんのところは深くは追及しないでおこう。
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