プロローグ

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「大好きで、大嫌いだった人生…」 少女は屋上から下を見下ろしながら、言った。 屋上の下…校庭では、何時も通りに生徒が歩いていた。 友達と楽しそうに話ながら歩いている生徒。カップルなのだろう、仲良さげに手を繋ぎながら歩いている生徒。 何時も通りの日常…。その生徒達にとっては当たり前のこと。 だが、少女には無かったもの…、欲しくても手に入らなかったもの。そして、高校入学までは、確かにあったものだった。 「どうして、なんだろうね…。」 返事が来ないことを少女は分かっていた。 暫く、俯いて、立ち尽くしていた。そして、どれ位経ったのだろう。1分にも1時間にも感じられたが、時間にしては1分にも満たない位だろう。 少女は顔をあげ、歩き出した。 「ごめんね、刹那。バイバイ。」 そして、そう…呟いて屋上から飛び降りた。 少女は最後まで笑顔だった…――――
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