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プロローグ
私は小さい頃大きな傷を負った。
「あなた!まって何処に行くのよ!」
母は父を必死に止めてた…
足にしがみ付いて…
バシッ!
力強く殴る音がした。
すごくいたいたしくて…
怖かった…
何もできなくて…
震えてた…
小さい頃の私 泉ちえり である。
父は家を出て行った…
母は私に言った…
「ごめんね…母さんがしっかりしてなかったから父さん出ていっちゃった…」
母はすごく悲しい顔で泣いていた。
「母さん…元気出して…」
これが小さい頃の私の精一杯の声だった。
母の心はすっかり病み…
やがて母は病気になった。
「ごめんね…母さん弱いわね…」
私にかける言葉はいつもいつも『ごめんね』があった。
母は小さな私をおいて入院などできないといって入院しなかった…
父の声も母の声も鮮明に覚えている。
だから
父が家を出て行ったのも
母が入院しなかったのも
そして母が死んだのも
全部が全部…
私のせいだと思った。
私は施設に入った。
誰にも心を開かず
誰にも自分の事を話さず
でも私はすぐに引き取られた
おばさんに!
最初はおばさんにも話せなかったけど…だんだんと心を開き自分の過去を話した。
血もつながっていないおばさんが私のために泣いてくれた…
その現実はとても信じられなかった。
私は幼稚園に行けるようになった。
そこで私は…
一筋の光に出会った…川原廉人に。
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