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俺が部屋に入ると、オジサンはもう既に帰ってきた。
「キミ、無用心すぎ。ここらで通り魔多発してんだから鍵くらい閉めてきなさい。」
…オジサン、何時間ぶりの一言がそれですか。
「だって、鍵閉まってたらオジサン入れなかったでしょ?」
オジサンは口を尖らせる。
「…うん、それは、ありがとうね、」
「どういたしまして、」
俺はそう言って手に持った袋をオジサンの方に突き出した。
「ご飯、作ってあげるね、」
俺、優しいでしょ?みたいな目でオジサンを見る。俺の目力は意外と強い。
「…キミは良いお嫁さんになれるよ、」
オジサンは表情を変えずに言った。―――
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