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朧気な光りが灯された部屋で、まだ幼い 獣の耳がはえた子供は、畳の上に敷かれた布団で眠っている灰色の髪をした娘に声を掛けた。
「おい、起きろミカヅキ」
『んー・・・おはよ巡畄』
ミカヅキと呼ばれた娘は、子供を見ると寝惚けたような声で微笑んでそう言った
「おはよ。まだ眠いか?」
『いいや、巡畄に呼ばれて目が覚めた』
眠たげな顔で、優しく微笑む三日月(ミツキ)を見て 妖しモノである幼い少年巡畄は 瞳を僅かに揺らした。
三日月は 巡畄が一度名前を呼ぶだけで 眠っている時だろうがなんだろうが直ぐに返事をする
巡畄にとって それはひどく安心することだった
「祭り そろそろ始まる頃だと思ったんだ」
『ああ そうだな
良い時間に起こしてくれた さすが我が息子だ、母に似て賢い。』
三日月は、巡畄に少年のような笑顔を向けた。
そんな三日月に 巡畄は無表情で答えた
「自称母親に似なくて良かったよ」
『反抗期か?巡畄』
これが親子の いつもの日常的なやりとりである
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