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夜。それは自由。暗いくせにどこか明るく優しさに包まれた気がする夜。そんな夜に僕は彼女に出会った。
彼女はいつも孤独だった。
黒くて長い髪は彼女の顔を隠していて それに輪をかけるように、まるで何かを拒むように俯いているせいで僕は彼女の顔をしっかりと見たことはない。休み時間はいつもそうだった。
だから、僕は彼女が自発的に自分から話しをしたところを知らない。いつも俯いて長い髪で顔を隠し、誰かとの繋がりを求めない女性…
そんな風に僕は思う。こんなことを言っているとまるで僕が友達が沢山いて彼女に同情しているのではないか…そう思う人がいるかもしれない。
それは間違いだ。僕も友達がいない。
突然だが僕は中学まで、つまりは今の高校に入るまでは違う所に住んでいた。だから地元のヤツが沢山いる今の高校で「あいつ誰だ?」的な存在になってしまっているのだ。つまりは暇過ぎて自分と同じ彼女を観察していたというどうしようもない話しなのだ。
さて、何で今こんなことを話すかといえば、
いるのだ。今。目の前に。
僕の趣味の一つ夜の散歩の途中。その彼女が公園にいたのだ。半裸の状態で。
「おい。お前何してんだ?」
声をかけてみた
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