01.画面上での戯れ

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「学校行きたくないなーう……っと」  カチカチとキーボードを叩く。打ち終わった文を見て私は自嘲気味に笑った。この台詞を何回呟いたのだろうか。  私、芦原千代は高校二年生だが学校には行っていない。登校拒否、引き篭もり……なんとでも言って欲しい。事実だから否定もできないししようとも思わない。   「ネットとリアル……なにが違うんだろ」  ネットというPCの画面上ならいくらでも人と会話できる。ところがリアルで向かい合ったらどうだ、なにも言葉が出なくなる。別に昔から引っ込み思案とかそういう訳ではない。小さな頃は明るかったはずなんだ……。  キーボードを打つ指は止まらずにこの後も自虐な呟きとネタをタイプし続けた。 「ん、リプきてる……」
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