その3

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「まじで分かんないのかよ…」 はぁとため息混じりにぼそりと呟かれた 聞いたこともないんだからわかるはずもないだろう そう言い返そうとしたら電話口の奥の方からあまったるーい声が聞こえた 「そうじぃ~?だれぇ?」 「うっせぇな。電話してんだからあっちいけ」 ---ソウジ? ひっどーいなんて怒ったような声が聞こえた気がしたけれど、そんなことよりもその女性が呼んだ名前に私は固まってしまった 「…おい。聞いてんのかよ」 「…そ…そうじ…」 「いきなり呼び捨てかよ。昔からお前いい度胸してるよな」 まさか電話がかかってくるなんて… てかなんで番号… 聞きたいことは山程あるはずなのに、喉でつっかえて言葉が出てこない そして思わず 「おーい、きいて…」 ぷちっ
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