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「あいちゃん!あたし、くるみだよ!」
自分を指で指しながらわかるでしょ?と示す。
でもあいちゃんの顔は曇るばかりで、思い出せないらしい。
「ひどーい!ひどいよあいちゃん!」
するとあいちゃんが「あ」と短く声を上げた。
「え?思い出した?やっとかぁー。でも良かったよ。もう変なボケはいらないからね」
と安心したあたしはあいちゃんの背中を叩きながら笑った。
ところがあいちゃんの口からは思いもよらない言葉が出てきた。
「あぁ!“はるな”ちゃんね」
「はるなちゃん誰ええぇぇぇぇ!?ちょっとあたし改名してないからあぁ!しかも最初にあたしくるみって言ったよね!?」
ぺらぺらと言葉を並べすぎて息が苦しくなった。
あ、あいちゃんボケすぎだよ。あたしびっくりだよ。まさかのはるなちゃんって、まじ誰だよ。
頭痛いし、早く冷やしたいよ。
一方あいちゃんは…、
「あれ?はるなちゃんじゃないの?……じゃあ誰?」
まだあたしの名前がわからないようで悩んでいる。
答えはもう出ているというのに。
「あいちゃん!いい加減にしてよ!くるみって言ってるじゃないか!あたしいい加減悲しいよあいちゃん!」
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