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「こんにちは、大神様。私に何かご用でしょうか?」
「瑠璃姫よ、主は禁忌を犯した」
大神様は怒っていた、他の者が解らなくても…大神様はお見通しなのだ。
己の前に立つ瑠璃姫に古ぼけた杖を向け、大神様は言葉を続けた。
「最近の主の行動は目に余る…勝手に天界を抜け出し、地上に降りたかと思えば…地上の男に心奪われる、仙人としてあってはならぬ事!」
「あら大神様ったら…御存知でしたの?聞いてくださいますか?椎茸様のお話を…」
全く反省の色を見せない瑠璃姫…大神様はとうとう堪忍袋の緒が切れてしまい、声を張り上げて瑠璃姫を怒鳴りつけた。
「主は仙人失格じゃ!これより天界への出入りを禁ずる、二度と足を踏み入れるでない!」
瑠璃姫の立つ辺りの雲が、ぱっくりと割れてしまえば否応なく地上に落とされる……
「きゃぁぁっ…!」
落ちながら叫び声をあげてはいるが…瑠璃姫の顔は、椎茸様に会えるのではないかと嬉しそうに笑みを浮かべていた。
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