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「あらあら、意外と衝撃もなく堕ちてこれました」
瑠璃姫は下に三成を敷いていることに気付かず、目前に迫ってきた男女を不思議そうに見つめながら言葉を発した。
「あの、まったりしている所すみません…そこを退いていただけますか?」
瑠璃姫はそう声をかけてきた女子を不思議そうに見つめていた。
なぜ退かねばならないのか…自分にはよくわからなかったからだ。
「……う…ぐっ…綾、女…」
三成がうめき声を上げつつ、瑠璃姫の前に来た女子の名を呼びながら手を伸ばした。
綾女と呼ばれた女子は、伸ばされた手を取りギュッと握って悲しそうに彼を見つめている。
「三成様っ!お気を確かに…!」
「…私…が、死んだら…貴様が…秀吉様の意志を……」
「そんな…私は貴方が居ないと…」
今生の別れとでも言いたげな会話を始めた二人を見て、黒髪の男子…家康が苦笑いをした。
「おいおい、三成に綾女殿…この位で死んでしまうような柔な体ではないだろう?」
家康は、三成の上から瑠璃姫を退かすために、彼女をヒョイと持ち上げて立たせた。
体が軽くなった三成は起き上がり、刀を抜けばそれを家康と瑠璃姫に向けて二人を睨み付ける…。
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