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「椎茸嫌い椎茸嫌い椎茸嫌い…」
椎茸が相当嫌いなのだろう、三成はカタカタと震えながら呪文のように椎茸が嫌いと繰り返していた。
「まあっ、椎茸様がお嫌いなのですか?想像してみて下さい……あの分厚い胸板に本能のまま生きる野性的な瞳!」
「なぁなぁ、綾女殿……どんこ椎茸の事かな?」
「そうですね…どんこ椎茸は肉厚で美味しいらしいですし」
全く話の噛み合わない瑠璃姫と三人の元に、御輿に乗った刑部とホンダム忠勝がやってきた。
「やれ三成…主は一体何をしておる?我は病魔に侵された体に鞭を打ちこの本田忠勝と戦こうておるというのに…」
「まあっ、鞭を己の体に打ち付けるだなんて…苛めて頂くのがお好きで?」
「何だこの女子は…我に突っかかってくるとは物好きよな…」
刑部は瑠璃姫を怪訝そうに見つつ、疲れ切ったようにため息をついた。
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