プロローグ

3/3
前へ
/3ページ
次へ
悟に右フックをくらわせて、ひとまず落ち着く私。 期待した私がバカだった。 そうだよね。私のことなんて、女の子として、見てないよね…。 そこの曲がり角でさよならか。 ハァー…… 今度のはため息。 指先冷たいが、何かもうどうでもいい。 「あっそうそう」 悟がジャンパーを脱ぎ始めてる…。 「…露出狂?」 「ちげーよッ!!!」 ボフって音をたてて乱暴に私の肩にかけられるジャンパー。 「女の子が身体冷やすのはよくねーから。 じゃーな!!」 走り去る悟。 今、私のこと女の子って言ったよね?? 荒い生地のジャンパー。 不器用な優しさ。 悟の温もり。 …………………バーカ。 キミトノキョリが、縮まればいいな。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加