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「ま、真琴!!!」
オレも急いで飛び込み真琴の姿をとらえた
「真琴!しっかりしろ」息はあるが大分水を飲んだようだし意識がない。手首には鎖。ワンピースの胸元はさけている……頭の中で嫌な考えがよぎるが……今は軽い応急処置だけでも施し、とにかく近くの宿屋へ急がなくては。
俺としたことが…この宿屋は今の季節休業中だって事忘れてたぜ。仕方がない。
ガシャン、
扉の鍵を壊し部屋に入ると急いで室内を暖めた。
手首を傷付けないように鎖を断ち切り、濡れた服を、…………服を………
「真琴、決していやらしい気持ちではないぞ、こ、このままじゃどんどん体温奪われちまう!仕方ないんだ。すまんっっ!」
意識のない真琴に必死の言い訳をする情けない俺。決して嘘ではないんだが、やましい心が全くないとも言いきれず濡れた服をぬがせる手が震える。
ワンピースを下ろすとそこには赤いあざが幾つも付いていた
さっきのイヤな考えがまたよぎる
真琴が目を覚ましたら俺はなんと言えばいい?怒りとも哀しみともつかない感情のまま気が付くと真琴に口づけていた……
「っ?!ん?う、うわああああ!!!」
ヤバ「あ、ま、真琴………す」
「な、なんだよお前?誰?え?何?何処だよここ!え?なんで裸?俺…女の子?」
「真琴?お前…」
記憶が……?大きな外傷はなかったが頭を打っているかもしれない、精神的ショックからかもしれない。オレは不安な気持ちを隠しながらなだめるように話し掛けた
「落ち着いてくれ真琴。俺がわからない?」
「うわああぁ!!くんな変態!!!」
変態…………視線が痛いよ真琴オレの耳見て変態とか言わないでくれ……あ、いや今はそれどころじゃないな。
両手をあげ真琴から少し離れた所からゆっくり話しかける
「真琴、オレは白うさぎって呼ばれている、お前の仲間だよ。ここは安全だ。何も怖くない。お前の服はびしょ濡れだったから仕方なく脱がした。すまん……まだ傷の手当が終わっていないんだ、手当をさせてくれないか?」
真琴は傷付いたの自分の身体を確認すると申し訳なさそうに口を開いた
「……助けてくれたの?ありがとう」
俺は助けられなかったのに、その事を告げられず黙ってしまった
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