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「友紘さん 飯作っていいすか?」
春喜はキッチンに立つ
「は… お前が作んの」
いつもデリバリな二人
「お前、出来んのか」
「無理」
「だろうな もやしっ子」
「え それ関係無くない?」
「料理出来なそう」
「やれば出来ると思うけど」
「何だよその自信…」
友紘は呆れて笑う
「何作んの?」
「うん…順平さんが友紘さん家に置いてったからって言ってて あ、あった」
春喜は冷凍庫からジップロックを出す
「何?」
友紘はカウンターから覗く
「イカ 焼くだけにしてあるって」
「へぇ お前ら 家主の知らないところで…まぁいいけど」
「へぇ、いいんだ」
春喜はシラッとした目で友紘を見る
「何」
「いえ、潔癖のくせに順平さんには勝手に家入って好きにしても嫌がらないんだなぁと思って」
「あーアイツここの合鍵持ってるからな」
「だからそれ!異常だよ!?本当は本当に付き合ってんじゃない!?」
「ふっ お前、自分がそうだからって皆が皆ゲイだと思うなよ」
「思うよっアンタと順平さんは絶対異常だもんっ」
春喜は最近カンシャク持ち
『受け』をしてないストレスあり
「他人の純粋な友情に異常だはナイだろ 謝れ」
「絶対ヤダ」
「…はぁ」
友紘は溜め息
「順平とはもう15年以上の付き合いなんだぞ 人生の半分はアイツが居るんだよ 家族みたいなもんだろ」
「でも他人じゃん」
「お前……友達居ないだろ」
「っどうせ居ねぇよっ皆俺にはそういう対象になんだから」
「…難儀だな」
「ほっとけ!」
「はいはい 分かったから 無駄なヤキモチ妬いてないで飯作って?」
友紘は手を伸ばして春喜の頭を撫でる
「……ヤダ」
「は」
「ヤる」
「どっちだよ…」
「チンコ縛ってからアンタの気持ちいい所だけ突きまくって泣かす」
「………はぁ…」
友紘はドン引きで溜め息を吐く
「お前さぁ……俺の身体好き勝手にしてんのお前だけだって分かってんの?」
「そうじゃなきゃ許さない」
「そうじゃなくて」
「そうじゃないのかよっ」
「…テメェ 本気で面倒臭いな せめて会話を成り立たせろよ」
「面倒ってヒドイっ…どうせ」
「ほら 会話にならねぇ」
「っ…」
「ちょっと落ち着いてこっち来い 抱っこしてやるから」
「えっ…」
友紘はソファへ向かう
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