プロローグ

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きっと、君はまだ気付いていない……… 私はこんなにも君を思っているのに……… *** 昼休み、校舎の一番人気のない非常階段の裏。 「はい。いつものお弁当。」 面倒臭そうに渡しているのは、桜井………梨子……さんだっけ。 「ありがと梨子。母さんいないから助かる~」 受け取っているのは橘……翔君………。 桜井さんは、料理が上手いって有名だけど…… どうして橘君にだけ? 「じゃね!私、友達と約束あるから!」 色素の薄い栗色の髪をなびかせながら、桜井さんはどこかへ行ってしまった。 この光景を、私は非常階段の踊り場で、手摺りからそーっと頭を出して見ていた。 「あれ?結芽花??」 私の名前を呼ぶ声にビクッとし、私は反射的に思い切り立ち上がってしまった。 ていうか……あそこから見えるの!?
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