ありきたりラブロマンス

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廃墟になってどれほどかは分からないが、そう短いこともないだろう病院の壁はもろく、パラパラとかけらが落ちた。 「あーそれでね。それでよう、僕は車に乗せられて連れ込まれたわけなんだけど、それがあの学園だったわけ。私立青凪学園。 お前も知っての通り、知ってる時点で普通じゃねえ。 “知ってる者には脅威であり知らない者には一生関わりなく仇なす者は皆殺し。愛と勇気の殺人集団。対人間用殺傷工具養成スクール私立青凪学園” 僕はその付属小学校に転入した。いまだに何で僕が連れてこられたのか分からない。 でも、僕に自分でも驚くほどの素晴らしく凄まじい殺人センスがあったのは言うまでもねえような事実だったよ。 入学当初はそこが嫌で嫌で、一刻も早く家に帰りたいがために何度も抜け出した。 そのたび少しずつ警戒レヴェルが高くなってって、今思えばすぐに捕まったとはいえ、あの学園から何度も抜け出したなんて僕の能力が並はずれたなんて言葉じゃカヴァー出来ないほどの素晴らしさだってことを知らしめちまっただけだったんだけどね。
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