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詩
vs25番目の女
真っ白い病室。
博識な叔父がこの世の成り立ちについて教えてくれた。
「あのな、けん坊。女はな、男の肋骨から生まれたんだよ。知ってるかい?」
僕は首を横にふって、その日の夜、父にその話を教えた。
父はそんな話もある。と頷いた。
それからしばらくして父と母はとんでもない大喧嘩をしでかした。
父は大きな声で母を怒鳴った。
「女の癖に口答えをするな!!」
母は声もなく父を殴り、父は肋骨を2本折る大怪我をした。
真っ白な病室。
父はぐったりとベッドに沈んでいた。
お見舞いに来た叔父にことの経緯を説明すると、叔父は静かに一枚のレントゲン写真を見せてくれた。
半年前、ベッドでこの世の成り立ちをといた叔父の、きれいに折れた肋骨だった。
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