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彼女――狼騎は微笑んだようだ。
ようだ、と言うのは、彼女がいつもパーカーのフードを深く被っていて、表情が見えないから。
だけど、幼なじみだから、彼女の雰囲気を読み取ることくらいならできる。
「リュウ、どうしたの?」
「いや、何でもない」
「座ろっか」
「ああ」
近くにあるベンチに二人で座る。
と、彼女が俺の顔を覗き込んで一言、
「疲れてるね」
そう言ったかと思うと、引っ張られて、膝枕されてる状態になっていた。
「まずは少し休んで。そしたら、話そう?」
「じゃあ、十五分したら起こせ・・・」
彼女が俺の頭を撫でているのを感じながら、静かに深い眠りへと落ちていった・・・。
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