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誰を指名する気だ?
会長は暫く何も言わず俯いていたが、唐突に顔を上げると、
「時景 浪に生徒会の仕事及び雑務の手伝いを命じる」
と言った。
・・・俺は脳内で、必死に同姓同名の奴を探してた。
・・・勿論、“時景 浪”は俺一人。
会長の信頼を得ているだけに、可能性は無い訳ではなかったが、現実に起こると辛い、な。
テーブルワーキングが嫌いな訳では無いが、
「俺の生徒会嫌い発言聞いてたか?」
「お前より仕事出来る奴はいねぇから諦めろ」
「だが断る」
「拒否権はねぇ」
即答だった。
仕方ない。
それならせめて、
「条件付きだ」
暫く考え込む会長。
顔を上げて、一言。
「・・・いいだろう」
許可も得られたし、チャッチャと言って終わらせるか。
「今回の仕事には、親衛隊総隊長、生徒会長親衛隊隊長、そして生徒会書記親衛隊隊長の同伴をさせてもらう。俺が知る中で、特にそういった仕事が得意な三人だ。本当は他の生徒会の親衛隊隊長を呼びたかったが、会長と書記以外は仕事をせずに遊び、目も当てられないくらい為体(テイタラク)な状態だ。親衛隊の子にそんな酷い状態のヤツラを見せて哀しませるのだけは絶対御免だ。長くなって悪かったな。俺からは以上だ」
言いたい事は言い切ったので気分は良い。
会長は、
「いいだろう」
と言って許可をくれた。
元久は苦笑して見せたが、断る積もりはなさそうだ。
他の二人も似たような感じだった。
まぁ、若干目が輝いてたが。
で、俺の発言に一番反応したのは・・・
「お前、最低だぞ!!」
やっぱり毛玉だった。
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