浪と元久が1ーAの理由

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香月先生はニッコリとした顔のまま答えた。 「本当だよ。因みに史利君は学年2位だよ」 香月先生が言うと、皆信じる。 ニンゲンって本っ当に馬鹿で単純な生き物だと思う。 たかが言葉一つを誰が言ったかによって真実か嘘かを決める。 なんて御都合主義なヤツラ。 精々俺らの暇潰しの役に立てよ? 「クッ・・・」 顔を歪めて学級長も座った。 プライドを失い、恥までかかされたんだから仕方ねぇか。 その後は何の問題もなく時間が過ぎていった。 だが、HRでの発言は効果があったらしい。 授業の間の僅かな時間や昼食、放課後などに、恐る恐るだが聞きに来る生徒がいた。 日を追うごとにその数も増えていった。 気付いたら学級長も交ざってた。 ・・・あまりにもちゃっかり過ぎて気付かなかった。 そしてテスト直前の最後の休みが訪れた。
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