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テスト返却及び成績発表。
奇跡が起きた。
1ーAのクラスメートが1位から40位までを独占した。
順位は勿論俺が一位で元久が二位。
驚いた事に、今まで79位だった銀虎が三位になってた。
そして学級長は四位。
当の学級長は元久と何か話している。
こっそり耳を傾けてみた。
「今回は君らのお陰で全員の成績が上がったようだ。だが、これで自惚れるなよ」
「ん~?何にぃ~?」
「私は別に君を認めた訳ではないのだからな!だから、その・・・私は別にして欲しくは無いが、これからもクラスメートたちの勉強を見るように、だな・・・。君を気に入ったとか言う訳ではないのだからな!勘違いしないでくれたまえ!」
学級長ツンデレか?
元久は悶えてるし。
「学級長可愛過ぎ~!ちょっとだけ、ぎゅうー、ってさせてぇ?」
言う前にやってるじゃねぇか。
だが見てて美味しいので放置。
その時、後ろから抱き着かれた。
いや、気付いてたけどな。
こんな事するのは一人だけだし。
「・・・銀虎、離れろ」
「俺、頑張った」
「あぁ、そうみたいだな凄いなだから離れろ」
「・・・・・・」
更にしっかり抱きしめられた。
人の意見は無視か。
そして動き憎い。
「頼むから離れてくれ」
「嫌だ」
・・・無理矢理引っぺがした。
で、正面で向かい合う形になる。
銀虎の頭をくしゃくしゃと、犬のように、やや乱暴に撫でる。
「頑張ったな」
そう付けて。
すると、気持ち良さそうに目を細めて頭を手の平に押し付けてきた。
・・・大きな猫みたいだな。
周りがその光景を見て、顔を僅かに赤く染めていたのには暫く気付かなかった。
(いきなり何人かがトイレに行くって言った時に気付いた)
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