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――浪side――
毛玉の様子がおかしくなり始めた。
ヤバいと思い、元久に告げて体育館裏へと向かう。
全力で走っても、地面を走ればその分時間が掛かる。
・・・直線距離で行った方がいい。
体育館裏に一番近い中庭を選んだとは言え、間には校舎の棟が二つある。
誰に見られても構わない。
俺は校舎の壁を僅かな凹凸を利用して一気に上る。
そして向こう側の屋上に向かって一気にジャンプし、勿論それだけでは届かないので鈎爪のついたロープを向こうの屋上のフェンスに引っ掛ける。
スパイダーマンを見てる人なら、あんな感じの移動を思い浮かべてくれればいい。
屋上に跳び移ったら、今後は飛び降りる。
ひたすら体育館へと直線で走り、体育館の壁に飛び乗り、屋根の上を通過して・・・。
その時、体育館裏から走り去る足音を捉えた。
嫌な感じと言うより、恐れるべき事態が発生した、と感じた。
屋根の縁は目前に迫る。
ギリギリの所で跳躍し、飛び降りた。
そして振り向いて絶句した。
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