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暫くして、一人が震える声で話し出す。
「・・・っ、許せません!綾戸君や香月先生にまでこんな事をするなんて!」
一人が話し出すと他の人も口々に毛玉への批難の言葉を吐き出す。
「一方的な暴力なんですよ!?もう警察とかに・・・」
「無理だな」
「なんでですか!?」
「権力の問題だ。警察や報道機関を利用しても、あの毛玉の親が権力で握り潰す」
「ま、何たってあの東城グループの跡取り息子な訳だし」
「東城?でも、毛玉は確か・・・」
「そう、東郷。こんな分かり易い変名なんて、しない方が良いと思うんだけどね」
東城グループは表にも裏にも広く手を出している、権力的にはかなり強い立場にある家だ。
この学園の生徒の親も、殆どが世話になっていると言っても過言ではないくらいに顔が広く、一声で会社一つを潰す事くらい簡単だろう。
親衛隊の子達を被害に遭わせる訳にはいかない。
「・・・この問題には、今後一切関わるな。これからは俺と元久の二人で行う」
「それは・・・!」
「先輩方の家を潰されれば、先輩方の生活が苦しくなる。俺と元久にはその心配が無い。それに、一番敵に回してはいけないものを敵に回した、その事実をたたき付ける丁度いい機会になる」
「異論は認めないからね」
そう言うと、渋々ながらも従ってくれた。
・・・最初の行動は、HRからだ。
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