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あの後直ぐに会議を終わらせ、今は待ちに待ったHRの時間だ。
クラスの奴は、まだ香月先生に起きた事を知らない。
後で暴露するが。
ガラリと扉を開けて入って来たのは、英語担当の大内 余(オオチ アマル)先生だった。
学園内では、権力に弱い事で有名だ。
幸薄そうな顔と、弱々しい感じしかない身体。
死神か疫病神にでも憑かれているようにしか見えない。
その薄幸男が口を開き、ボソボソと話し始めた。
「えー、香月先生は体調を崩したそうなので、暫く来れません。なので私が代理に来ました」
俺はそこで手を挙げた。
誰か分かった瞬間思い切り嫌な顔されて、目を逸らされた。
で、スルー。
偏見が強い先生だから仕方ない。
と言う訳で勝手に喋る事にした。(と言うか元からその予定だった)
「先生ー、嘘言ってんじゃねぇよ。体調不良なんざ嘘っぱち、そう言えって上から言われてんだろ?」
俺の態度が気に入らなかったようで(当たり前だが)、あっという間に茹蛸みたいに顔真っ赤&口元や蟀谷(コメカミ)が引き攣ってる。
「君は・・・何が言いたいんだね?」
「香月先生は1ーSの東郷犀による一方的な暴力で全治三ヶ月の怪我をした、という事だ」
俺の言葉に、今度はクラス中がざわめく。
「虚言を言って惑わすとは、やはり親衛隊はさいて」
ガンッ!
今のは俺が机を蹴り上げた音。
沈黙に包まれる教室。
俺は立ち上がると、教壇に向かい歩き出す。
「アンタに、権力より恐ろしいモン教えてやろうか?」
胸倉をつかんでそう言うと、失禁とまではいかなかったが顔を真っ青を通り越して真っ白に変えて気絶した。
俺の殺気に当てられたようだ。
根性のカケラもねぇ奴だ。
元久はニヤつきながらそれを眺めていた。
今度は荒々しく自分のクラスを出て、隣のクラス―1ーS―に扉を蹴破って入った。
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