毛玉潰し・・・できるか?

7/16
前へ
/437ページ
次へ
因みに蹴破ったのは教壇側の扉だ。 そうでなければ、関係ない奴を怪我させかねない。 ホストが怪我すれば良いと思ってやったのも理由の一つだが。 Sクラスの連中は全員呆然とした様子でこっちを見ている。 見事なまでのアホ面だ。 視線を無視して目的の人物・・・否、ヒトに失礼だった。毛玉の前に立つ。 毛玉よりも先に、取り巻きのエセ関西人が覚醒した。 「お前、何しに来よった!」 無視する。 で、先ずは毛玉を一発殴った。 一番窓側だから、たおれても直ぐに壁に当たる。 そこでようやく毛玉も覚醒した。 「突然殴るとか・・・友達にする事じゃないだろ!!謝れよ」 五月蝿く吠えているが無視。 胸倉を掴み上げて、空いた方の手で目の前の窓ガラスを割る。 ガッシャアーン!! と言う感じの音を立てた。 多少割れたガラスで怪我をしたが、気にする程の事じゃない。 穴の大きさは人の頭より少し大きめにした。 今度はそこに転校生の頭を突っ込む。 「何する気や!?」 「黙ってろ。コイツを殺されたくなければ、な」 今、毛玉の首には割れたガラスの切っ先が触れている状態。 そして、冗談でない事を証明するために、毛玉を掴む力を少し緩める。 僅かだかガラスを血が伝う。 瞬間、毛玉の身体が硬直した。 「俺が今やってるのは、昨日のテメェと同じ事だ。テメェが自分を正当化するために相手を“悪”と思い込んでやってる事だ。悪いが、これ以上問題を起こすなら・・・ テメェを地獄に堕とす」 低く、ドスを効かせた声でそう言うと、俺は乱暴に窓ガラスから引き抜く。 その時、教壇側ではない方から扉の開く音がした。 誰かなんて見なくても分かる。 「なーちゃん、やり過ぎだよぉ」 元久だ。
/437ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4175人が本棚に入れています
本棚に追加