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因みに蹴破ったのは教壇側の扉だ。
そうでなければ、関係ない奴を怪我させかねない。
ホストが怪我すれば良いと思ってやったのも理由の一つだが。
Sクラスの連中は全員呆然とした様子でこっちを見ている。
見事なまでのアホ面だ。
視線を無視して目的の人物・・・否、ヒトに失礼だった。毛玉の前に立つ。
毛玉よりも先に、取り巻きのエセ関西人が覚醒した。
「お前、何しに来よった!」
無視する。
で、先ずは毛玉を一発殴った。
一番窓側だから、たおれても直ぐに壁に当たる。
そこでようやく毛玉も覚醒した。
「突然殴るとか・・・友達にする事じゃないだろ!!謝れよ」
五月蝿く吠えているが無視。
胸倉を掴み上げて、空いた方の手で目の前の窓ガラスを割る。
ガッシャアーン!!
と言う感じの音を立てた。
多少割れたガラスで怪我をしたが、気にする程の事じゃない。
穴の大きさは人の頭より少し大きめにした。
今度はそこに転校生の頭を突っ込む。
「何する気や!?」
「黙ってろ。コイツを殺されたくなければ、な」
今、毛玉の首には割れたガラスの切っ先が触れている状態。
そして、冗談でない事を証明するために、毛玉を掴む力を少し緩める。
僅かだかガラスを血が伝う。
瞬間、毛玉の身体が硬直した。
「俺が今やってるのは、昨日のテメェと同じ事だ。テメェが自分を正当化するために相手を“悪”と思い込んでやってる事だ。悪いが、これ以上問題を起こすなら・・・
テメェを地獄に堕とす」
低く、ドスを効かせた声でそう言うと、俺は乱暴に窓ガラスから引き抜く。
その時、教壇側ではない方から扉の開く音がした。
誰かなんて見なくても分かる。
「なーちゃん、やり過ぎだよぉ」
元久だ。
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