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――浪side――
ガラリと、本日二度目の教室入場。もうHRは始まっている。
「おはーっす。遅れましたー」
「きぃちゃん遅れてゴメンねぇ~?」
取り敢えず棒読みで挨拶。そして着席。
こんな目立つ事をすれば、当然周りからの視線はあるが、そんなもん気にしない。
「へー、二人とも今日はHRに来てくれたんだね」
ニコニコとして[きぃちゃん]こと、香月 稀蹟(コウヅキ キセキ)先生が声をかけてきた。
やや天然でマイペースな先生ではあるが、生徒に対し、親衛隊とかの分け隔てなく接してくれる数少ない先生でもある。
だから俺は、香月先生に対して敬語で話す。
「俺らはそこまでサボり症ではありません、香月先生」
「そうだね。それにしても丁度いい時に来たね。これから新入生歓迎会兼学年交流会の説明をするところなんだよ」
「分かりました。あぁ、話しを中断させてしまい、申し訳ありませんでした」
「反省してるなら、謝らなくてもいいよ」
かなり優しいが、決して生徒にナメられる事が無いって言うのは、やはり先生の人柄なんだろうか・・・。
そう考えているうちに、説明が始まっていた。
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