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「キスがないのは残念だけどぉ、争奪戦は見れそうだよねぇ」
「・・・アイツ」
「なー、ちゃん?」
悪い、元久。
読唇術を使って、転校生たちの会話は全て聞いていた。
俺にとってNGワードを言った奴がいるっていう事実は、キレるには十分な理由なんだ。
許せねぇモンは許せねぇんだよ。
「親衛隊を侮辱しやがった奴は、潰さないと気が済まねぇ」
元久と周囲の数名が顔を青ざめさせているが、構ってらんねぇ。
だけど、元久はなんか察してくれたのか、何にも言わない。
そして俺は、手元の水の入ったコップ(席に着いたとき用意された)を、転校生に抱き着く副会長に投げ付けた。
コップは綺麗に飛んでいき・・・
バシャリ
ガシャン
全ての時が止まったのかと思えるくらいの静寂が訪れた。
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