どうしようか

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ビクリと肩を震わせる様を見て、不謹慎ながら小動物のようだと思った。 「あ、えっと、あの・・・」 「何だ?会計(兄)弥奥寺 細(ミオウジ ササメ)の親衛隊員、千田 遥(センダ ハルカ)。言いたい事があるならはっきり言え」 「あ・・・」 少し怯えてしまったらしい。 「悪かったな、キツイ喋り方をして」 「い、いえ、その・・・あの・・・助けて頂き、有難うございます!」 「何だそんなことか」 「え?」 「俺は、強姦とかの類が嫌いなだけだ。だから勝手にやった事に礼を言われる事はない」 「そうですか・・・。あ、あと聞きたい事が・・・」 「何だ?」 「何で名前を知ってるんですか?」 「この学園の全生徒及び職員、関係者の顔と名前は全て知ってる」 「凄いですね・・・」 「おい」 「はい!」 「服脱げ」 「はい・・・え?」 「破れてんだろ」 「あ、本当だ・・・」 「直してやるから服貸せ」 そう言って携帯式の裁縫道具を取り出す。 どうやら変な意味に捉えていたらしく、また警戒していたのが、それを見て安心したようだ。 渡された服を直していると、千田から声を掛けられる。 「裁縫・・・お上手ですね」 「そうか」 「昔からやってたんですか?」 「ああ。大抵の事は自分一人で出来るように育てられた」 「そうなんですか・・・」 それから暫くの沈黙。 「ほら、出来たぞ」 「有難うございます・・・。凄い、何処が破れてたのかが分からない・・・!」 「教室に戻るのか?」 「はい」 「付いてった方がいいか?」 「あ・・・いえ、大丈夫です」 「分かった。気を付けろよ」 「はい、有難うございました」 千田は一礼すると、教室の方へと走って行った。 「・・・さて、後片付けでもすっか」
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