知らないの?

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「……遅いなぁ…もぉ…」 どんどん頭も痛くなる。 手も冷たいし。 「…この私をこんなに待たせて…」 頼まれて来たわけでもないのに、こんな言葉しか出てこないのは素直じゃないから。 「……!あ!聖…」 聖也らしき人がビルから出て来るのが見えた。 でも、聖也だけじゃない。 上司らしき人とか…若い女の人とか…たくさんいた。 「今夜はパーッとな!!遠慮するなよ!?」 「そうですか?」 「土方さんのおかげで今回の会議とプロモーション、成功したんですから!部長の奢りですよねー?」 「当たり前だ!本当…よくやってくれたな、土方」 私はその光景を見て聖也が何かを成功させたのだとわかった。 でも、その何か、がわからない。 「……」 聖也は私の目の前を通り過ぎてしまった。 「ぁ…」 「土方さんって彼女とかいるんですかぁ?」 突然、女の人が言い出した。 「あぁ……」 聖也は考えたように言っていた。 どうして? 彼女は私でしょ? 言ってよ、いるって。 「いない。いたらこんな忙しくても連絡の一本してるしな。」
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