イタミ

3/11
前へ
/11ページ
次へ
以来、僕には左目も無くなってしまった。 あの後すぐに病院に運ばれたが、到底元に戻せるものではなかったのだ。 そして今、僕は小学5年生になった。 「きめちわりぃ!!」 「学校来んなよ目玉なし!!」 そう言ってみんなが僕に、落書きだらけの僕の上履きを投げつける。 小学校に上がってすぐに、僕はイジメを受けていた。 無くなった左目にはいつもガーゼがつけられていて、それを不思議がった友達が、面白半分でとってしまったのだ。 ガーゼの裏にあったものを見た友達は泣き出し、それからはみんな、僕を異質なものとして見るようになった。 おかしな話だと思う。 蓋を開ければみんな、同じ肉の塊だのに。 目がなかろうと、腕がなかろうと、足がなかろうと。 そこにいかほどの違いがあるというのか。 小学生である僕にはまだ、分かり得ないことで。 また、小学生である彼らにも僕の疑問を理解できるはずがなかったのだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加