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私が小学生の時
母親から無理やり通わされていたピアノ教室。
初めてピアノ教室にいったあの日。
「みんな!新しいお友達がきました!」
声の高い女の先生がそうみんなに叫んだ。視線が一気に私に向けられた。
「さぁ。みんなに挨拶をして?」
先生がそう背中を押した。
顔が熱くなる。手も震えて口がひらかない。
「名前いえる?」
「あっ……やまし…。」
やっぱり声がでない。
みんながざわつきはじめた。
ーヤマシタエリカー
私の名前だ。
早くいわなくちゃ!早く!
でも、みんなの視線が怖くてどうしようもない。
「やましたえりかちゃんです。みんな仲良くしてね?」
私を横目でみながら、先生がそういった。
結局、自分で言えなかった。
そんな私に、先生は顔を覗き込んでゆっくりとこういった。
「もっと元気よくね?アピールしなくちゃ!自分をアピールしなきゃだめよ。」
アピール
アピール
アピールしなくちゃ………
コロサレルヨ?
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