悪魔の手紙

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ガシャン 聞きなれた音が耳に入ってきた。 それと同時にブルーシートがはずされた。 「みなさん、思った以上にスクリーンの修理に時間がかかりました。」 「今12時前なのでブレイクタイムが終わってからゲームを再開します。」 ナナセの声が会場にひびきわたる。 スクリーンにナナセがまたうつっている。 「みなさん、ゲームを続けるか放棄するか決まりましたか?」 誰もその言葉に反応しない。 それでもナナセは顔色をかえない。 「聞きたいことがある。」 ミネギシ君が声をだした。 「優勝したら何がもらえるんだ?」 ミネギシ君の顔は今までに見たことがないくらい怖い顔だ。 「そうですね。先に教えましょう。」 「優勝者には生きる権利が与えられます。そして…。」 ナナセがにやりと笑った。 「優勝者が望むのなら…優勝者の代わりに依頼者を処理します。」 依頼者を…処理…。 それって…。 ガタンッ 「ゲームに参加します。」 …えっ? パニックのままの私にも聞こえた。 参加?? 「参加します。」 「参加。」 「…俺も参加。」 みんなが口々にそう言いだした。 私は自分のことで頭がいっぱいだった。 みんなの悲しみが…憎しみに変わっていってる。 「私も参加する。」 レイさんが笑いながらそういった。 「みんな…それでいいの?」 私はみんなに向かってそういった。 みんな何も答えない。 ただスクリーンをみつめている。 またゲームするの? 私にはできない…。 優勝しても帰る家がないんだ。 生きてる意味さえないんだ。 「参加…します…。」 ササノキラも… 参加…。 みんなが私をみている。 気がつけば私だけがゲーム放棄のままだった。 みんな目的は… 依頼者を殺す…そう目がいっている。 私は… 私は…。
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