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「んっ………。」
眩しい朝日が顔を照らし出した。
なんか懐かしい夢をみた気がする。なんだっけ……?
「えりか!起きなさい!!」
あっ。やばい!
ママの声にぼやけていた視界がはっきりしてきた。
すぐにベットから飛び降りて制服を乱暴にハンガーからはずした。
「早くしないと、遅刻するわよ!」
私をせかすママ。
口うるさいけど、2人きりの家族だ。仲良しなのが何よりの自慢。
「じゃぁ。いってきます!」
朝ご飯を食べ終えてバタバタと走りだした私の手をママがつかんだ。
「ちょっと!待ちなさい!」
そう、言いながら私の髪の毛をゆっくりとブラシでとかしはじめた。
「もぅ。高校生なんだから、髪の毛くらい綺麗にしなさいよ?化粧とか………。」
「はい!はい!いってきます!」
毎朝毎朝、ママにいわれている。
女の子らしく
おしゃれしたら?
髪の毛といたら?
聞き飽きるくらい言われても……興味がない。
目立たなくていい。
地味に地味に。
それが、私。
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