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タイムセールの為に走る。
気分はちょっとだけメロス、だったが……
「う……嘘でしょ……?」
まだそんなに走ってないのに、私の足が止まった。
チルリンを振り切り、走って来たまでは良かったが。
リンゴしか食べていなかったせいで、思っていたより早くスタミナが切れてしまった。
気持ちは前に行けそうなのに、呼吸もそんなにゼーゼー言ってないのに。
膝から下が……力入らない。
足が地面に付いてない様な感覚もある。
個人差はあるにしても、ここまでとは思ってなかった。
仕方ない、少し歩こう。
バッグから取り出した携帯電話で時刻を確認して、そう決めた。
朝のタイムセールには何とか間に合いそう。
残りの体力を温存しておかないと……
「タイムセールを熟知した熟女の皆様に、パワー負けしちゃう」
のです。
私は雑に掴んで来たままだった鞄を肩に掛け直し、スーパー大宮に向かった。
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