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日は沈み、辺りは闇に包まれる
今日という一日が終わり、明日へと移ろう穏やかな時…
時計の無いこの部屋では、今が今日か明日か、知る術がない。
今日と明日との曖昧な境界…
私は、このひと時が堪らず好きで、毎日のように静かに想いに耽る。
明かりを消した部屋で、窓から外を眺めたり、ベッドに仰向けになり、ぼんやりと天井を見つめたりしながら、取り留めなく、日々を振り返ってみるのである。
今日という一日が、間違いなく存在していた、と確かめているかの様に…
そうして、今日が昨日へ、明日が今日へと移ろい行くのを想像し、日々の重なりを感じ、意識していく。
私にとっては、このひと時が儀式の様な役割を持ち、この儀式を行う事で、新たな気持ちで明日を迎えられるのだと思っている。
季節柄、今宵の風は暖かく、遠くで蛙の鳴き声がする。
もう日付は変わっただろうか…
ぼんやりと明日を想い、どんな一日になるのものかと、何となしに楽しい気持ちで目を閉じた…
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