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暗い水の底から浮かび上がってきたような、そんな感覚の中、意識が目覚める。
次いで目を開き、二、三度、ゆっくりと瞬きをし、身体を起こす。
この部屋には時計をおいていないため、正確な時間は分からないが、多分、七時頃だろう。
もう少し横になって居たい気もしたが、両腕を思い切り伸ばし、大きく欠伸をした後、ベッドから下りた。
「今日は雨か…」
窓から外をみると、シトシトと静かに雨が降っている。
そのせいか、昨日と比べ、今朝は幾分か涼しい気がする。
いつもの様に、トースターにパンをほうり込む。
そして焼き上がるのを待つ間、顔を洗い、歯を磨く。
「あ~ぁ…、今日は何をしようかな…」
まだ寝ぼけ気味に、呑気に考えていると、何やら焦げ臭い事に気付き、慌ててうがいを済ませトースターへ向かった。
「…あらら、焦げちった…」
トースターから取り出したパンは、硬くなるまでに焼け焦げていた。
「…食べれるかな…?」
ガリッ
「…苦い」
そのままでは食べられそうにもなく、かと言って棄てるにも忍びない。
仕方ないので表面の焦げた部分を削り落して食べる事にした。
先ほどと変わらず、窓の外では静かに雨が降っている。
「これじゃ洗濯しても駄目かなぁ」
そう呟きながら、パンをかじり、山となった数日分の洗濯物を思っていた。
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