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「ルーク!!ルークじゃない!!おかえりなさい、手紙より早かったのね」
「まぁね、少し予定が早まったんだ」
「そうなの!!フィオナ、知らせたい事ってルークの事だったのよ。今朝、王都からルークが帰ってくるって手紙が届いてね。・・・本当にルークが帰ってくるのは何年ぶりかしら。王都の大学に行ってからちっとも連絡を寄越さないんだもの・・・・・フィオナ、どうしたの?」
「ちょっとこっちに来て」
フィオナに腕を引かれて連れられて来たのは家の横にある小路だった。
にこにこ笑う僕をフィオナはきっと睨んだ。
「どういう事なのか説明してちょうだい」
「何が?」
「何でルークが私の兄さんになっているのかって事よ!!」
「君の死期を他の人に知らせないための措置だよ」
もしも自分の家族の前に死を知らせる使者である僕がいきなり現れたらどうする?
大混乱だよ。
実際、大昔に一悶着あったらしいしね。
それを避けるために、あらかじめその周囲の人間の記憶を操作しておこうという事になったらしい。
「・・・・・というわけで、今から一ヶ月僕は君の兄だよ」
「はぁ、そういう事なのね・・・・・分かったわ」
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