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「・・・・・以上がフィオナ・シュールに関しての報告となります」
「ご苦労様でした。それでは今から一週間の休暇とします。次の任務まで体を休めてください」
「はっ、では失礼致します」
一礼し上官の部屋を出た僕は自室に戻るべく歩を進めた。
いつもなら、この下らない任務のうさを晴らすため外へ遊びに出掛けるのだが今回ばかりはそんな気になれなかった。
(・・・・フィオナ)
思い出すのは、今しがた報告したばかりの少女。
僕のすべてを変えてしまった子。
「・・・・ん?」
ふと意識を戻すと、よく見知った顔が歩いてきた。
僕と同じ"告命宮”所属のヴォルフだった。
「おぉいルーク、戻ってきてたのか!?」
(相変わらず軽いノリだな)
そう思いながら僕もヴォルフに手を振り返した。
実を言えばこのヴォルフという男を僕は結構気に入っている。
ひょうきんで軽薄そうなイメージを持たれやすいが、その実、誰よりも思慮深い奴だということを知っているからだ。
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