大切なもの <ライル・ウォーカー>

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「――うっ…」 「大丈夫?お兄さん」 そう目の前にいるボロ雑巾みたいな彼――今回の任務の相手であるライル・ウォーカーに声を掛けると、彼は少しキツそうな様子で目を開けた。 「ずいぶん酷く殴られたみたいだね」 「あいつら、一人相手に数人で袋にするたぁ、見下げた野郎だぜ」 そう言いながら彼は立ち上がった。 まだ少しふらついている。 ・・・全然大丈夫そうじゃないなぁ。 「ホントに大丈夫?手を貸そうか?」 僕がそう声を掛けると、やっとこちらに意識が戻ってきたのか、盛大に睨まれた。 失礼な子だね、まったく。 せっかく助けてあげたのにさ。 「――テメェ誰だよ、ここいらじゃ見掛けねぇ顔だな」 「僕の名前はルーク。君たち人間の間では"最後の使者"って呼ばれているよ」 「――はぁっ!?」 「君の願いを叶えに来たよ」
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