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「・・・・・ここか」
新しい任務を言い渡されて僕が降りたのはサハナという小さな町だった。
王都からは少し離れた、けれども交通の要として栄えている美しい所だった。
「フィオナ・シュール、17才・・・・・若いな。両親と三人暮らし。父は薬師で母は織物師、か」
上官から渡された書類に目を落とす。
まったく、嫌になる。
神様も面倒な制度を作ったものだ。
人生の最後に一つだけ願いを叶えてやるだなんて、こんなバカげた話は聞いたことがない。
そのとばっちりを受ける僕たち下っぱの気持ちも考えて欲しいものだよ。
僕は会ったこともない神様へのグチをこぼしながら、今回の相手である少女の元へと飛んだ。
「・・・・・いた、あいつだ」
ようやく見つけた相手は、都合のいいことに一人で歩いていた。
カゴを下げている所を見ると、薬草でも取りに行っていたのだろうか。
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